栄養の次に意識したい「味」という視点

以前の私は、食事にたくさんの「ルール」を持っていました。

病気をきっかけに、食べるものを厳しく制限した時期があります。
雑誌やインターネット、テレビで目にした情報を、そのまま取り入れる日々。それでも体調はなかなか整わず、規則だけが、どんどん増えていきました。

気づけば、食事を楽しむ余裕がなくなっていました。

大きく変わったのは、アーユルヴェーダの食事論に触れてからです。
食事への考え方が変わり、握りしめていた制限を、少しずつ手放せるようになりました。手放すことへの怖さも、やわらいでいきました。

今は、食事の時間が心から楽しいです。

アーユルヴェーダの食事論には、豊かな知恵がたくさんあります。
そのひとつが、今日お伝えする「味」です。

味を意識するようになったきっかけは、同じりんごでも、甘いものと酸っぱいものがあると気づいたこと。
同じ名前の食べものでも、味が違う。それなら、体に届くものも、全部同じではないのかもしれない。

味わって食べるようになってから、食べても食べても満足できなかった理由のヒントも、「味」の中にあったと感じています。

かつての私のように、食事に迷っている方の、ひとつの参考になれたら嬉しいです。

アーユルヴェーダは、まず「味」を見る

アーユルヴェーダは、インドで数千年受け継がれてきた伝統的な暮らしの知恵です。食べものの性質を知る入口として、まず味に注目します。

味は6つ。
甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味です。

この世のものはすべて、土・水・火・風・空の5つの要素が組み合わさってできていると考えます。味もそれぞれ、決まった要素の組み合わせを持っています。

味 要素 身近な食べもの
甘味 土・水 ごはん、果物、ナッツ、ギー
酸味 土・火 梅干し、酢、ヨーグルト、味噌
塩味 水・火 塩(岩塩がおすすめです)
苦味 風・空 山菜、ゴーヤ、葉物野菜
辛味 火・風 生姜、胡椒、唐辛子
渋味 土・風 豆、緑茶

たとえば甘味は、土と水の要素を持ちます。
土と水は、重さ、潤い、どっしりとした安定感につながる性質です。

甘いものをいただくと、体の中でもその性質が増えやすくなる、とアーユルヴェーダでは考えます。
反対に、軽さや動き、乾きの性質は、落ち着く方向へ向かいます。

甘いものを食べると、ほっとして、気持ちがどっしり落ち着く。
そんな感覚に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。

六つの味は、毎食同じ量でなくていい

六つの味がそろった食事は、味覚にとっても楽しい刺激になります。

ただ、同じ割合でいただく必要はありません。
いちばん多いのは、主食のごはんなどの甘味。
その次に、塩味や酸味のおかずが続きます。
辛味・苦味・渋味は、少しで十分です。

「全部そろえなきゃ」と力まなくて大丈夫。
0か100かではなく、その間を楽しめたらいいですね。

味の性質には、おもしろい例外があります

火の要素を持つ味(塩味・酸味・辛味)は、体を温めると考えられています。
けれど、例外もあります。

インドの果実アムラは、酸っぱいのに、体を熱くしないと伝えられています。
レモンやライムにも、似た働きがあるそうです。
熱がこもりやすい日に酸っぱいものが欲しくなったら、お酢の代わりにレモンを選ぶ、という知恵があります。

はちみつも、甘いのに、体を重くしにくいと言われています。
甘いものをいただきたい日の、選択肢のひとつにしてみるのもいいですね。

旬を選ぶと、六つの味は自然に整う

春の山菜のほろ苦さ。
夏のきゅうりや冬瓜。
秋の甘い果物。
冬の大根やさつまいも。

旬のものは、その季節の体に必要な性質を持っている、と考えます。
旬のものを中心にいただいていると、意識しなくても、六つの味のバランスは整いやすくなります。

近くで採れた旬のものは、家計にも優しい味方です。

今日からの小さな一歩

今日の食事の中で、いちばん美味しいと感じた一口を、思い出してみてください。
それは、どんな味でしたか?

甘い、酸っぱい、ほろ苦い、ぴりっと辛い。
言葉にしてみるだけで、十分です。

できそうな日には、足してみたい味をひとつ、そっと食卓に加えてみましょう。
生姜を少し。
旬の果物をひとつ。

気づくだけでも、十分◎です。

体調や食事のことで不安があるときは、医師や専門家にもご相談くださいね。

こうした学びを、毎日の暮らしに

アーユルヴェーダのお話し会は、朝の習慣コミュニティ「わたしの土台を育む朝」の中で、月に一度開いています。
メンバーの方は、無料で参加できます。

こうした学びを、毎日の暮らしに無理なく取り入れていく時間を大切にしているコミュニティです。

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最後までお読みいただきありがとうございます。
本日もどうぞ、ご自愛くださいね。

※参考:アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ(著者名・出版社名を入れてください)

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