
目次
1. 白湯とは?〜アーユルヴェーダの視点から
アーユルヴェーダの智慧のなかで、最も手軽で効果が高いものの一つが「白湯(さゆ)」。ただのお湯と思われがちですが、体の内側から整える“最もシンプルな処方”として古くから重宝されてきました。
ドーシャのバランスを整え、消化の力(アグニ)を高め、アーマ(未消化物・毒素)を排出するサポートをしてくれる白湯は、「水でさえも薬になる」というアーユルヴェーダの考えを体感できる、まさに日常の良薬です。
2. 白湯がもたらす心と体への効果
適切に作られた白湯は、心と体の詰まりを流すように、様々な不調にやさしく働きかけてくれます。
脂肪沈着をやわらげる
消化力(アグニ)を高める
アレルギー疾患の緩和
呼吸器を楽にする
膀胱の浄化
むくみ・だるさの解消
老廃物(アーマ)の排出
心の重さを軽くするような浄化感‥など
とくに朝の白湯は、夜の間に溜まった毒素や未消化物の排出を促し、体の目覚めを助けてくれます。まるで配管にこびりついた油汚れを流すように、白湯が体の経路(血管系、リンパ、呼吸器系、心臓血管系など)を流してくれるのです。
3. 白湯の飲み方
意外!と思われる方も多いかもしれませんが、アーユルヴェーダでは朝1番には白湯ではなく水を飲むことを一般的に勧められます。
ですが白湯も、朝の「空腹時」に飲むのが理想です。まず舌苔を取り、歯磨きをしたあと、ゆっくりと口当たりを感じながらすするように飲みます。フーフーして啜るように飲める温度(約40℃前後)を目安に、心地よく感じる温度がベストです。
一気に飲むのではなく、少しずつ時間をかけて味わうのです。そうすることにより消化の火がやさしく目覚め、排泄や代謝のスイッチが自然に入るでしょう。
※夏の熱い時期やもともとピッタ優勢になりやすい方、胃に炎症が起きている時や、お子様はきちんと冷ましたものを飲むといいです。
4. 白湯の作り方
白湯は、電気ポットなどで沸かしたお湯でもよいですが、疲れや、体の重たさを感じたり、便秘や鼻詰まりなどの症状があり、お薬として白湯を取り入れたい時には煮詰めたものを飲むといいでしょう。
アーユルヴェーダでは、以下のような手順で白湯を作ります。
①清潔な鍋に新鮮な水を入れる
②蓋をせず、換気扇を回しながらぐらぐらと沸騰させ半量になるまで煮詰める
③火を止め、適温まで冷ます(熱々でなく、すするのに心地よい温度)
※沸かす際に蓋をするとドーシャのバランスが乱れてしまうことや、消化に重たくなるためアーユルヴェーダ的には勧められません。
このように煮詰めたほんのりと甘く、軽さのある白湯はヴァータとカパを減らしてくれます。
5. できれば意識したいこと
浄水器を通した新鮮な水を使用する(一晩置いた水は避ける)
朝作った白湯は、なるべくその日のうちに飲む
煮詰めることで不純物が濃縮される可能性もあるため、水選びも“体に優しい白湯”の大切なポイントです。
6.今日から始める白湯習慣
白湯を始めるのに特別な道具も技術もいりません。お鍋と新鮮なお水、そしてほんの少しの時間と「自分にやさしくありたい」という気持ちがあれば十分です。
朝の静かな時間に、湯気の立ち上る白湯を一口含むだけで、体がゆっくりと目覚め、心も落ち着いていくことを感じるでしょう。
「前日の食べ過ぎで重たい朝」、「なんだかうまくいかない朝」も、「気持ちを整えたい夜」も、白湯をちびちびと味わうことはご自身にそっと寄り添う養生となるのです。
白湯はきっと、あなたの暮らしにやさしい変化をもたらしてくれるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
本日もどうぞご自愛くださいね。
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