〜アーユルヴェーダの智慧から学ぶ、季節の養生〜
はじめに
アーユルヴェーダでは、夏至から冬至に向かう半年を「満ちていく季節」と呼びます。
夏に外へ向かっていたエネルギーが、静かに内側へ戻り、大地と私たちの身体が“滋養”を取り戻す時期。
そして、冬至の季節は、一年で最も消化の火（アグニ）が強くなるとき。
きちんと食べ、温め、潤し滋養を蓄えることが、次に迎える春の心と体を快適に導いてくれるのです。
一方で、年末の慌ただしさや冷え・乾燥の影響で、心も体も消耗しやすくなる季節でもあります。
この冬をどう過ごすかで、春を軽やかに迎えることができるかが決まると言われるほど。
特に花粉症などの春特有の不調に毎年悩まれている方は、是非最後までお読みいただけますと何かヒントになるかもしれません。
この記事を通して、アーユルヴェーダの智慧を借りながら
日々の過ごし方を見直すきっかけとなりますように。
冬は「滋養と蓄え」の季節
冬は代謝が高まり、食べたものをしっかり消化・吸収できる季節。
この時期に適切に食べてエネルギー身体にを蓄えることが、春の心と体の健康を守るカギです。
反対に、食事を抜いたり、軽すぎる食事を続けすぎると、
体は自分の筋肉やエネルギーを消耗してしまい、疲労や免疫低下につながりかねません。
温かく、消化にやさしい食事を基本として、
さつまいもや根菜類などの甘味があり少し重たい食材を取ることもおすすめです。
冷たいもの・乾燥した食べ物・生野菜などは少し減らしてみるのも良いでしょう。
「甘・酸・塩」３つの味を意識する
古典にはこう記されています。
「ヘーマンタ（初冬）では、甘味・酸味・塩味を摂る必要がある。」
この３つの味は、冷えと乾燥から体を守り、心を安定させる働きがあります。
甘味は滋養と安らぎを、酸味は食欲と消化を、塩味は体内の巡りを助けます。
甘味と言っても砂糖の甘味ではなく、さつまいもやお米、デーツなど自然な甘味をいただくことが大切です。
具体的な食材の例
- 甘味：穀物、さつまいも、ギー、デーツなど
- 酸味：発酵食品、レモン、梅干しなどを少量
- 塩味：天然塩を適度に使う
毎日の食事で「甘・酸・塩」がバランスよく入っているかを意識的に味わってみましょう。
ただ、３つの味だけをたくさん摂ればいいということではなく、
理想は毎日６味（甘・酸・塩・辛・苦・渋）をバランスよく味わうこと。
味のバランスは栄養的にも満足感にもつながり、偏りを減らしてくれます。
1食で全部を完璧に取る必要はありませんが、
「1日の中でいろいろな味を摂るといいんだな」と認識することが、最初の一歩です。
「体を温め、保護する」暮らし
少し上級者向けになりますが、
オイルで全身にアビヤンガ（アーユルヴェーダのオイルマッサージ）を行うことはとても有効です。
乾燥した空気と冷えは、体の巡りを滞らせ、心の不安定さにもつながります。
太白ごま油は体を温める性質を持つオイルのため、
塗布することで温めて保護することを助けてくれます。
オイルマッサージは、肌だけでなく神経系を落ち着かせ、睡眠や免疫にも良い影響を与えます。
朝の時間帯が最もおすすめですが、夜の入浴前などご自身が継続できるタイミングを見つけることが大切です。
冬から春にかけてのカパ対策
古典書には次のように書かれています。
「冬の間に蓄積したカパは、春の太陽の熱で溶け出し、体に広がる。」
冬にはしっかりと食べて必要なうるおいを蓄える時期ですが、
溜め込みすぎると、温かくなる春に体に蓄積されたものが
鼻水やむくみ、怠さとして溶け出すように現れると考えられています。
特に胃や肺、鼻腔など“粘液のある部位”にカパがたまりやすいため、
春先の不調を防ぐためにも、冬のうちから代謝を促す生活を意識しましょう。
カパ対策のポイント
- 食べすぎに注意し、夕食は早め・軽めに
- 牛乳・ヨーグルト・揚げ物・お砂糖など甘いものの摂りすぎに気をつける
- 軽く汗ばむ程度の運動を楽しむ
- 昼寝や食後すぐの睡眠を避ける
- 食後のゆったりとした散歩を楽しむ
全て完璧に取り入れようと頑張るのではなく自分にできそうなものを拾って試してみてくださいね。
まとめ 〜春の元気は冬につくられる〜
冬は「満ちる」季節。
適切に食べ、温め、休み、心と体を満たすことで、
春の変化にもスムーズに対応できるようになります。
食べること、温めること、休むこと。
どれも当たり前に思えるけれど、自分を大切にする行為です。
季節のリズムに寄り添いながら、
自然と調和した暮らしの素晴らしさを体感すると、
日常がもっと豊かになっていきますよ。
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- アーユルヴェーダとは？
- アーユルヴェーダと季節の関係
- 冬の養生が春の体調を決める
- 家庭でできる季節のケア法
こんな方におすすめ
- 花粉症や春の不調を軽くしたい方
- 冷えや乾燥が気になる方
- 家族でできる自然なケアを知りたい方
- 東洋医学やアーユルヴェーダに興味のある方
※内容は多少変更となる場合がございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
本日もどうぞご自愛くださいね。
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